建築と陶芸
僕は大学で建築の勉強をしていたので、20代、最も影響を受けた人物のひとり
といえる。
10年前もパワフルで元気だったが、まったく衰えてないようだった。
大学時代はよく安藤忠雄の設計した建物を見に行ったし、著書もよく読んだ。
「20代を本気で生きなければ、80歳まで生きられない」
とか
「建築は必ず依頼主がいるので、言葉で説明する力をつけなさい」
とか
「感性を磨くために本を読んだり、音楽を聴いたり、映画を見なさい」
とか
今でも、安藤忠雄の言葉が、強く心に刻み込まれて、ふと思いかえす。
建築と陶芸。
モノづくりというところで近い。
ちなみに安藤忠雄は駆け出しのころ、木工家具を作って、なんとかお金を稼いでいたらしい。
建築もモノづくりなんだけど、建物だと大きすぎて自分の自由な創造というわけ
にはいかない。
施主さんの希望があり、構造の計算がいたるところに組み込まれ、さまざまな法
律や制約がある。
そして、自分ひとりの手では、もちろんできない。
僕は、陶芸のゼロから自分で自由に創造できて、焼いて完成させ、その陶器が渡
ったひとの生活の溶け込んでいく風が好きだ。
心にふわっと小さな花が咲いてほしい。